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3)Pulang-Tubig Stream and Marshland、Matungao、Socorro(土壌(25)、写真38・39、図17)
2)から尾根を下り、開けた台地下位面に達するとカラマンシーやココナッツの畑の中に、舗装はしていないが幅の広い道路があり、ジプニーが往来している。集落で車を下りて、見渡すかぎりの水田の狭い畦道を300〜500m程歩いて、生息地に到着した。この水田は深いグライ層からなるために、畦は作りにくく、幅15cmと狭いだけでなく一部ココナッツの木が置かれたり、短い長靴では埋まってしまうような場所さえあった。農夫は素足であった。北北東方向にココナッツ等の畑の見える微高地が望める。昨年訪ねたCalabasanhon Creek(Pola)とは同じPola Riverの上流のPagdungan Creekを隔てて対峙するが、湿地で歩いて渡ることは不可能である。生息地は標高15〜20mの三角州上位面の微低地にあって、背丈2m以上に達する水草が一面に生えていたが、一部水田化して生息地は縮小した。水田と生息地の関の川の土手は50cm以上盛り土され、橋が落ちていて渡れず、やっと遠くの少し川幅の狭い場所を探して跳んでわたり、生息地に近づいた。水浸しとなった湿地の落葉を拾うと、多数の貝が付着していた。木の葉を拾っている内に異常な痒さを感じ、セルカリアに触れているような不安を感じた。pHは水6.84、土6.53で、土壌のCaO 50mg以下、MgO 100−150mg、Fe 250ppm、Mn 250ppm以上で、特にMnが多い。

 

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図17 Pola川上流部(Socorro)の生息地

 

 

 

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